Promenade

団体ツアー添乗員の日常

ブログについて

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猫「商品? 手に入れたければまずこの俺様を倒すことだな」

 

学生のころから添乗の世界に足を踏み入れて7年目。

ほんとにいろんなところに行きました。物理的に何も手元に残らない仕事だし、記憶はすぐに色あせる。生存確認も含めて、今年から色々綴っていいけたら良いなと思います。ツアーのネタから好きなものまで趣味全開。

 

ニックネーム:RaKKi 

性別:女

猫好き。映画好き。本好き。

添乗員とかいう究極過ぎるサービス業に従事。営業スマイルやリップサービスに磨きがかかる一方の昨今。オタク気質。九州出身。

 

どうぞよろしく。

外に出たくない病

海外ツアーの前日はだいたい休みなのですが、この休みの使い方がいつも下手すぎるわたし。

午前中:朝起きてそのままふとんでごろごろ
午後:空腹に耐え切れずのそのそ起き上がってひとまずコーヒーを淹れる。ご飯を食べたらまたそのままだらだら続行
夕方:明日の準備してない!と焦りだす。でも身体がまだ動かない。だらだら
:やっべー何もしてない。徹夜で準備だ!準備していると掃除がしたくなり拍車がかかる。で結局この日は寝ない。

翌日:眠くてたまらないけど取り合えず気合を入れて空港へ向かいツアー受付。
飛行機に乗ったら死んだように眠る。

ヨーロッパ便とかの10時間以上飛行機に乗ってじっとしてるのが苦手なので、極力飛行機では眠りたい人。海外ツアー行くたびにこのサイクルを繰り返してる。でもこれだとほんとに駄目人間すぎる気がするし、そろそろフラフラのまま受付とかするとボロが出てヤヴァイので、改善したい。

…けどたぶん今日もこのパターン。
明日からフランスツアーなのです。

あー今から同期とご飯約束してるけど、できれば外出たくないなぁ。。。

ムーミン谷から抜けられない

フィンランドから帰国して次の日からの3連休。タンペレムーミン美術館の原画がドツボだったあまりついうっかりムーミンのアニメを借りてきて、いきおいで全話視聴。連休もっていかれた。

まあうっかりがうっかりを呼んで、ご他聞にもれずドハマリしてしまったのです。

ちなみに視聴したのは1990年のアニメ「楽しいムーミン一家」です。なんだろう…こう、絵本から出てきたような素朴なアニメは。ストーリーといい歌といいナレーションといい、とにかく癒される。これは原作者のヤンソンさんもお気に入りで、現在フィンランドでも毎年テレビの再放送をしまくる人気ぶりだそうです。ちなみに昭和の時代にもムーミンのアニメは日本で放送されていたそうですが、そちらは不人気。ヤンソンさんもその昭和アニメの内容に激怒したとかなんとか。日本では人気があるようですけれどもね。まあ日本のアニメでしかも昭和のやつって、なんかキャラも話も泥臭いというか、それがまた日本人にしか分からない良さっていうか、クセがありますよね。平成の「楽しいムーミン一家」ですが、とにかく1話目の「ムーミン谷の春」の時点でもうα派かなんか出てんのかっていうくらい、癒される。そしてスナフキンさんがイケメン。とにかくイケメン。1話の時点で彼しか目に入らなくなりましたよね。これは女子なら誰でも陥る現象ではないでしょうか。

ムーミン美術館見学中、ガイドさんがムーミンの物語、設定などをこと細かく説明してくれました。以下記憶の限り自分のためのメモとかツッコミとか妄想とか。

スナフキンとちびのミィは姉弟。しかもミィがお姉さん。ていうか身長差とか…。アニメではその設定はない。しかもこの2人、お母さんは一緒だけど、お父さんが違う異父姉弟。お母さんのミムラ夫人には子どもがわんさかいて、スナフキンとミィにも兄弟姉妹が何十人といるんだとか。このミムラ夫人は子どもはぽんぽん生むけど世話が適当で、自分で全部面倒を見られないから子供同士で着替えてねとか言っちゃいます。それでミムラの子どもたちが円形に並んでそれぞれ前の人の服の後ろのボタンをとめるっていう図のジオラマがあって、まあこれが可愛くてたまらなかったんですけどね。「まあ兄弟姉妹がいすぎて、周りがうるさくて、だからスナフキンは1人旅がしたかったんだろうね」ってガイドさん。ちなみにスナフキンのモデルは政治家で詩人だったヤンソンさんの元恋人、ミィはヤンソンさん自身。

・当然ながらムーミンはカバじゃなくて妖精さんヤンソンさんが子どもの頃、弟とケンカして紙に書きなぐったキャラクターから生まれた。恋人のフローレンには本当は名前はなくて、原作では「スノークのお嬢さん」と呼ばれている。アニメでは呼びやすくするため「お嬢さん」という意味の「フローレン」となったそうな。ムーミンとフローレンは種族が違ってて、ムーミンムーミン族、フローレンはスノーク族。スノークは気分で身体の色が変わる、ムーミンと違って髪の毛がある。フローレンのお兄さんは「スノーク」って呼ばれている。お兄さんは何でも定規で測ったり調べたり裁判をしたりするのが好きな性格。

・白いニョロニョロっていう生き物。しゃべることも聞くことも出来ない不思議でシュールな動物。これは雨の日、雷に打たれることで体内に電気を貯めておくんだそう。ムーミン美術館のムーミンの家のジオラマをみると、家の後ろの倉庫がニョロニョロの部屋になっています。ムーミン家の電気はこれでまかなっているそうな。「エコですね!」とガイドさん。

ほんわかしているようで意外と複雑な設定です。

私ははまったら徹底的にハマる性格なので、今原作の小説を順番に読書中。「ムーミン谷の彗星」「楽しいムーミン一家」「ムーミン谷の仲間たち」と読み進めて、今「ムーミン谷の夏祭り」を読んでます。小説っていうより、これは子供向けの童話だからでしょうか、翻訳が結構昔のものだからでしょうか…。結構読みにくくて、内容がなかなか頭に入ってこないのです。なんか登場人物がみんな電波さんにしか思えない…。スナフキンさんが出てこないと読みづらい。なぜなら彼が唯一まともな発言をするからです。ていうかこれは明らかに私が彼が好きだから贔屓目でそう思えるのか。笑 なんだろうね。このムーミン物語。雰囲気か。雰囲気で楽しむものなのかこれ。子供向けといっても結構ストーリーとか哲学的というか、子どもには難しいんじゃないかって思うものが多い。でも挿絵がヤンソンさんが描いたもので、いちいち可愛くて癒されます。


アニメ「楽しいムーミン一家」は、どの話見ても面白いです。
ムーミンママとパパも可愛すぎる。


http://www.youtube.com/watch?v=WqOv1Vf0hAY

1月前半はフィンランド!

フィンランドオーロラツアーに行ってきました。
2013年はオーロラの当たり年。その後3、4年はオーロラが観測しやすいということで、今年もフィンランドツアーがたくさん出ています。

フィンランドって…行く前までは実はあんまりなじみがなくて

・福祉が充実。物価が高い
・寒い。雪
・サンタクロース
ムーミン
・オシャレインテリア
・やたら可愛い言語(もいもい!)

というイメージでした。まあ実際その通り。
オーロラは大体12月~2月末まで、フィンランドラップランドと呼ばれる地方で観測することが出来ます。オーロラを肉眼で見るには条件があって

第一に雲の少ない晴れた夜空
第二に人工的な明かりの少ない場所
第三に夜暗くなってから朝方まで、いつ何時出現するか不明

というもの。ラップランドの冬の夜は-30度、通常でも氷点下10度以下で、オーロラが出現するまで外で待機して待つ必要があります。1日滞在したぐらいでは見られないので、大体ツアーでは3~4日をオーロラ観測に当てるのがふつう。今回は我々もサーリセルカで2泊、そこから10キロほど離れたカクシラウッタネンイグルービレッジ(ガラスイグルーの宿舎のある村)で1泊、その後はロヴァニエミ、タンペレ、ナーンタリ、ヘルシンキへと周る内容。

ツアーのウリのひとつは、このガラス張りのメロンパンのような宿舎・カクシラウッタネンのガラスイグルーに宿泊して、暖かい室内からガラス越しにオーロラを見るというもの。限定63部屋しかなく、オーロラを見るにはまさに絶好の宿舎です。

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ちなみに中身はそこまで広くなく、こんな感じ
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・・・若干アダルト感が否めない内装ですが。これ、ベッドがリクライニングになっていて、枕がちゃんと、頭が東向き(オーロラの出現する空)になるような位置になっています。客室にはテレビもなく、あるのは洗面台とトイレのみ。シャワー、サウナは外を出てフロント棟に併設されているものを利用。イグルーはコテージタイプになっていて1つ1つの客室が独立しているので、夕食レストラン、フロント棟、客室から客室へ移動するには必ず外を通る必要があります。

前日まで2日間、隣町のサーリセルカに宿泊して、オーロラの出現を待ちました。しかしながら連日猛吹雪で見られず。お客様全員、深夜のオーロラハンティングツアーに参加して、イナリ湖と呼ばれるオーロラポイントまで行きましたが、それでもまったく駄目だったのです。このガラスイグルーに宿泊した日がラストチャンス! 天気も良いし、寒さも程よいし、夜には星が綺麗に出ていて雲も少ない。まさにオーロラ出現の確立大! 地元のおねいさんや、ホテルのおにいさん方も「今日はオーロラ出るね。絶対出るね。出るとしたら夜22:00だね。」って口々に言ってたもんだから(何故時間まで分かったか不明)私もお客様に説明。
「良いですか、チャンスは今日の夜22:00ですよ。夕食終わって部屋に戻ってベッドに入ったら、絶対眠くなります。でもがんばって起きててくださいね。ガラスイグルーに宿泊した意味をよく考えてくださいね、みなさま!」

夕食後、問題が発生。前日までの猛吹雪のせいで、ガラスイグルーが、ガラス窓が、雪で埋まっている…。昼間にホテルにチェックインした時点で、もちろんフロントスタッフにイグルーの屋根の雪を落とすよう、再三伝えていたのです。確かに夕方になって、雪かきのオッサンが、適当にイグルーのガラスをガンガン殴りつけには来た。確かに来た。しかしながらその後「オレの仕事おーわり!」とか言って帰ってしまったそうで…。夕食から戻ってイグルーをみると中途半端に雪が残っている状態。これだから!キリスト教徒は!! 当然お客様からはブーイング。部屋からオーロラ観るどころじゃないじゃないの!!と。まあそりゃそうだ。

添乗員からホテルに文句を言ってもどうにもならないので、フロントスタッフのおねいさん(アジア系)と2人で、その辺のブラシと棒を持って、お客様のイグルーの雪落としを開始。これがもう寒いわしんどいわで鼻水たらしながら一生懸命、ガラスの雪や氷と格闘したわけです。だってガラスイグルーだしね。外が見えないと意味ないしね。イグルーに泊まる意味考えてとか、私、言っちゃったしね。ぬくぬくの室内からオーロラを見たいわけですよ皆さん。それが楽しみなんですから。 外は-20度の極寒なのに、若干汗ばみながら必至こいてひたすらガリガリガリと雪や氷と格闘すること1時間。すると、なんということでしょう。神様はちゃんといた。夜22:00頃、時間ぴったり。東の夜空にオーロラが出現。オーロラなんて生まれてこの方見たことなかったけど、なんか空に靄というか、薄いカーテンのようなものが移動しながら浮かんでいたのが見えたので、添乗員の第六感でこれだ!!とね。それまでしんどかったこととか、寒いとか眠いとか涙目だったのとか全部すっとばして、ついでに手に持っていたブラシもぽーんと雪中に放り投げて、1人で奇声を発してお客様のイグルーのドアやガラスをガンガンドンドン殴り周る。「オーロラですよ!オーロラが!出ましたよ!!」何人かのお客様は、うっかり寝てましたが、かまわず起こしまくる。ほとんどのお客様は部屋の外に出てきて、結局みんなで外でオーロラを観測。あれ、ガラスイグルーの意味…。お客様が暖かい部屋でオーロラが見えるようにとがんばった、私の労力…。まあいいんですけど。観れたからどうでも良いんですけど。 その後40分ほどにわたって、オーロラは出現し続けました。オーロラはデジカメで撮るにしても、ちゃんと設定など勉強して三脚など使わないと撮れないもの。私の手持ちのアイフォンで撮ったものは、所詮こんなです。
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アップルさんでもこの程度。

オーロラは思っていたものとは違うんですけど、ほんとに感動もの。でも、この夜、残念だったのが、イグルーのガラスをガンガン殴ろうともドアにどんだけ攻撃をしかけても、絶対起きてくれなかった1人参加のおじいちゃん。翌朝、「私昨夜あなたを一生懸命起こしたんですよ。ていうか寝ないでって言ったじゃないっすかー」と冗談交じりに文句言うと、「いやあ、ぼくはあのイグルーってとこに泊まれた、それだけで満足なんだ」とにこやかに返されました。じゃあなんで貴方三脚とか持ってきてたのよ…。

オーロラ感動体験の翌日は、ロヴァニエミへ。ここには年中クリスマスなサンタクロース村があり、世界公式サンタクロースに会うことが出来ます。サンタと写真を撮るのは25ユーロ。クリスマスにサンタからのお手紙(日本語あり)をお願いするには1通7ユーロ。なかなかのお値段です。サンタの野郎は抜け目ないですね。そういう私もお金払ってサンタと写真撮りましたけど。
ここがサンタのオフィス。
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この村には北極線が通っていて、北極線の向こうは真冬は太陽の昇らない極冬、真夏は太陽の沈まない白夜となる、北極圏となります。
この村は郵便局、レストラン、土産店などいろいろ揃っている観光地で、それぞれの店では三角帽を被った店員さんが接客してくれます。一応サンタクロースの手伝いをする小人という設定ですが、どうみても我々日本人より明らかに背が高い現実。
そして名物料理はトナカイ。
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写真はトナカイピッツァだよ!

ていうかナチュラルに名物がそれしかないという衝撃。トナカイはラップランドの民にとっては極寒を乗り越えるための貴重な蛋白源なんだそうです。真っ赤なお鼻の~とか歌ってる場合じゃありません。仲間が食料になっているのを横目にサンタ野郎に使役される、あのルドルフさんが不憫でなりません。

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ロヴァニエミ観光後、夜22:30発サンタクロースエクスプレスという寝台列車タンペレへ。
この寝台列車は2階建てで、シャワーつき。サンタクロースエクスプレスとは名ばかりのなんのペイントも飾りもないシンプルな車体です。ちなみに個人的に寝台列車って好き。部屋は決して広くないし、2段ベッドでまあ使い勝手は悪いんだけど。この狭苦しい空間、ベッドに横たわったときの心地よい揺れ具合、車窓から流れる夜景の景色…なんかこう、ロマンを感じますね。ガタンゴトンって音を聞きながら、流れる車窓の光を眺めるのは、本当に素敵なのです。

タンペレに朝方5時ごろ到着。早朝5時に到着してもやることないので、適当に時間をつぶして、朝食を食べて、この日はムーミン美術館へ。
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これがもうほんっとに可愛くってですね。正直ムーミンとか、小さい頃たぶんアニメみてたけどちょっとトラウマだなとか思ってたんですけれどもね。この美術館、とても小さいんですけれども、原作者のトーベ・ヤンソンさんの原画や、ヤンソンさんが弟さんと手作りて作ったムーミン物語のジオラマやフィギュアとか、本当にいろいろあって、正直やられました。とにかくこの原画がなんというか可愛らしくて哀愁があってシュールで、私のツボでしたので、ついつい見入ってしまったものです。それまであんまり意識してなかったけどそういえばフィンランドのいたるところのスーパーで、ムーミンのジュースやら紅茶やら、イラスト入りのものいっぱい売ってたな。よし、絶対買って帰ろう。ということで、この日は美術館見学後、ムーミンショップに立ち寄り昼食をとって、ムーミンのふるさとナーンタリで宿泊。ナーンタリにはムーミンワールドなるテーマパークがあるんですが、冬季は休業中。ムーミンさんは冬は冬眠するそうなので。

最終日は、ナーンタリを出発して首都のヘルシンキへ。

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ヘルシンキの大聖堂

フィンランド、というか北欧はほとんどプロテスタントの国なんだそうです。まあ、どおりで食事がマズry… 質素なのはそのためでしょうね。
あと、フィンランド人のコーヒーの消費量は世界で2番目。とてもコーヒーが美味しい国で、私はそれだけでもう幸せでした。カフェインを愛する国ってだけで、私はもう大好きです。

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マリメッコとか、色彩豊かなデザインのインテリアや雑貨が多くて可愛い。
というかフィンランド人ってシャイだけど誠実で、とても働き者といった印象でした。個人的にいままでの添乗で一番楽しかったかな。次回はプライベートで行きたいものです。

ところで気になる服装。私もずいぶん悩みましたが、結局はほとんどユニクロさん。

上:ヒートテック重ね着+セーター+フリースorパーカー、(すべてユニクロ楽天さんのセールで購入したスキーウェア
下:ヒートテックタイツ+靴下、暖パン、スキーウェア、Crocsのスノーブーツ
その他:手袋(薄手のとスキー用の2枚)、ニット帽、耳あて、マフラー、ネックウォーマー

個人的にすごく役立ったのはネックウォーマー!口元隠れるし本当にあったかくて便利でした。うっかりニット帽を無くしたのですが、そういったときもヘアバンドみたいに活用できて耳もあっためられるし。服はたくさん持って行き過ぎて逆に余った。思っていたほどの寒さではなくて、ちょっと拍子抜けな感じでした。上記の格好で極寒の夜、数時間イグルーの雪かきもして平気でした。クロックスの靴は特に暖かくてぜんぜんしみてこないし、オススメです。